
実際に織るときに、ヨコ糸をできるだけつなげて織りたいものです。テール処理をする回数が少ない方が楽だと思います。
今回は、前回作ったラフなデザインを Adobe Illustrator を使って調整して、織りやすいデザインにしましょう。
前回までの記事は、以下のリンクから参照してください。
- [1] Illustrator の基本情報・基本操作については、手織りグリッドデザインのためのアドビ イラストレーター
- [2] グリッドテンプレートの作り方については、アドビ イラストレーターで作るグリッドテンプレート
- [3] 下絵を取り込む方法については、アドビ イラストレーターに下絵を取り込む
- [4] ラフなグリッドデザインを作る方法については、アドビ イラストレーターでグリッドに色を塗る
今回の記事では、以下の項目について説明していきます。
1. 織り方の技法「ミート&セパレート」の説明
以前書いた記事「サンプルを使って平織りとタペストリー織りをマスターする」で、「ミート&セパレート」という織り方の技法について紹介しました。
ミート&セパレート技法は、模様の境目で、ヨコ糸が出会って分かれていく織り方です。ヨコ糸の折り返し地点が、模様の境目で常に隣り合わせになります。
この技法により、織り目の位置がずれて、ワープが見えてしまう現象を防ぎます。
では、前回作ったラフなデザイングリッドで、ミート&セパレートになっていない箇所を指摘してみましょう。
図1で、花びらの一部をズームインしました。図2では、ヨコ糸が通る道順に矢印を描きました。


下図では、ミート&セパレートに従っている部分は「〇」、従っていない部分は「X」をつけました。

X: ミート&セパレートではない(同じ方向に向かっている)
では、このヨコ糸の通り道を、次のセクションで調整していきましょう。
2. ヨコ糸の通り道をシミュレーションしながらデザインを調整
上のセクションで説明した小さな花びらを、Illustrator で以下の図のように少しだけ編集しました。
赤い枠が、隣の花びらの色に変更した部分で、青い枠が、色を足した部分です。

青い枠は、色を足した長方形
この少しの編集で、下図のように、ヨコ糸の通り道が、ミート&セパレートに沿うようになりました。

この調整の作業でチェックするポイントは、2つです。
下の図にあるように、花びら一枚一枚の模様の境目で、ヨコ糸の折り返し地点が発生します。オレンジの縦線をつけた部分が偶数段となっている点に注目してください。
もう一つのチェックポイントは、一つの模様の左右の折り返しの段は同じ段ではないということです。たとえば、オレンジの曲線と矢印で示したように、右側で最後の折り返しをした段は、左側では、折り返しの一つ前の段となっています。
上記の2つのポイントで調整をしていくと、ヨコ糸をできるだけながくつなげて織ることができるグリッドデザインとなります。
ただし、デザインを大きくくずさないように調整をすることも大事です。
例えば、パターンが複雑になっていくと、一つの段で使われるヨコ糸の色も増えていき、偶数段で折り返せない場合があります。
青い縦線をつけた部分は奇数段となっています。その場合は、そこが、ヨコ糸のテール処理を行う場所となります。
ヨコ糸がうまく長くつながらないときには、あきらめて、織るときにテール処理で対処します。
または、以下の記事で紹介した方法で、一度ワープの裏側に退避させる方法をとります。

3. 画面を拡大・縮小し、全体のバランスを見る
ヨコ糸の通り道をシミュレーションしてデザインの調整が終わったら、全体のバランスを見ていきます。
Illustrator でアートボードをズームアウト(縮小)して、気になるラインがないかチェックしましょう。
- グリッドレイヤーだけ表示した方が全体をチェックしやすいので、グリッドレイヤー以外は、非表示にしましょう。
レイヤーパネルで目盛レイヤーとイメージレイヤーの左横にある目のアイコンをクリックして、レイヤーを非表示にします。

- ズームツールで、アートボードをズームアウトして、デザインの全体が見える状態にします。
下図のように、かなり小さくズームアウトすることで、全体の雰囲気がつかみやすくなると思います。
調整前が左の図で、調整後が右の図です。それぞれ12.5%にズームアウトしています。


- 気になるラインがあったら、修正と調整をくりかえして、グリッドデザインを完成させます。
4. ファイルを保存する
いったんここで、ファイルメニューから保存を選択し、ファイルを上書き保存しましょう。
念のため、バックアップファイルも保存したいと思います。
再度、ファイルメニューを開き、今度は、別名で保存を選択し、「バックアップ」など、名前を変えて保存します。
今回は、ヨコ糸の通り道を考えたデザイン調整を行いました。ここまでの作業が終わったら、あともう少しです。
次の記事では、色の調整方法について紹介したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。