
頭の中でイメージした色と、実際に織って出来上がった作品の色が少しずれていたという経験はありますか?
また、隣り合わせになる色によって、その色が少し違う色に見えたりすることはないですか?
たとえば、私の経験ですが、茶色と薄いグレーが隣り合わせになったとき、薄いグレーが薄いブルーに見えます。また、緑とクリーム色が隣合わせになったとき、クリーム色が薄いグリーンに見えます。
色の組み合わせは無限で、組み合わせだけではなく、分量でも雰囲気が異なります。
例えば、AとBという色の組み合わせがあったとします。2つとも同じ分量を使ったときと、Aは多め、Bは少なめにした場合とでは、作品の印象が異なると思います。
色について考えるのは、ほんとうに難しいです。
織る作業にも時間がかかりますから、できれば、事前にある程度出来上がりに近い色の組み合わせを見てみたいものです。
今回の記事は、グリッドデザインはいったん脇に置いておいて、Adobe Illustrator でヨコ糸の色に近い色を作る作業について説明したいと思います。
前回までの記事は、以下のリンクから参照してください。
- [1] Illustrator の基本情報・基本操作については、手織りグリッドデザインのためのアドビ イラストレーター
- [2] グリッドテンプレートの作り方については、アドビ イラストレーターで作るグリッドテンプレート
- [3] 下絵を取り込む方法については、アドビ イラストレーターに下絵を取り込む
- [4] ラフなグリッドデザインを作る方法については、アドビ イラストレーターでグリッドに色を塗る
- [5] グリッドデザインの調整方法については、織りやすいようにグリッドデザインを調整(アドビ イラストレーターでの作業)
今回の記事では、以下の手順で色の登録作業を行っていきます。
1. 手持ちのヨコ糸の色とスウォッチに登録する色を合わせる
以前の記事「アドビ イラストレーターでグリッドに色を塗る」で、カラーガイドとスウォッチパネルを使って、簡易的に色の登録を行いました。
今回は、手持ちのヨコ糸の色にできる限り近い色を登録していきたいと思います。
以下の手順で作業していきます。
- 登録したい手持ちのヨコ糸をコンピュータの前に準備します。

- Illustrator でファイルメニューから新規を選択し、白紙のアートボードを開きます。
- Window メニューからカラーガイドとスウォッチを選択し、それぞれのパネルを表示します。
- 手持ちのヨコ糸の色に近い色をスウォッチパネルまたはカラーガイドから選択します。
サンプルでは、スウォッチパネルから緑色を選択しました。

- カラーガイドパネルの左上の枠に、今選択した緑が表示されます。ハーモニールールをプルダウンすると、配色のガイドが表示されますので、実際のヨコ糸の色にもっと近い緑色があれば、そのカラーグループを選択します。

- 選択したカラーグループの中から、もうすこし黄色味がかった緑をダブルクリックして選択しました。

- スウォッチパネルにも同じ黄緑が塗りの枠に表示されます。この色をダブルクリックします。

- カラーピッカーが表示されます。

- 実際のヨコ糸を画面の前に置いて見てみたところ、もう少し黄色味が必要でした。中央にあるスライダーを黄色の方に少し移動します。
そうすると、スライダーの右隣にある長方形の枠の上半分に変更後の色がプレビューされます。下半分は変更前の色です。

- ヨコ糸を見ると、もう少し暗みのある黄緑なので、今度は、左側の大きな枠の中にある黒い丸を少しだけ下側にドラッグして移動しました。
プレビューがまた変更されました。
一旦これで確定するため、OKをクリックします。

- スウォッチパネルの塗りに変更後の色が適用されました。
念のため、もう一回色味を見てみたいので、この塗りの枠をもう一度ダブルクリックして、再度カラーピッカーを表示させます。

- 実際のヨコ糸と画面を交互に見ながら、やっぱりもう少し黄色味が必要でしたので、調整を行い、これで確定としたいと思います。OKをクリックします。


- では、この緑を登録したいと思います。新規スウォッチをクリックし、わかりやすい名前を付けて、OKをクリックします。
私は、色の名前とヨコ糸のブランド名を合わせた名前にしました。


- 以上の手順を繰り返し、ヨコ糸と画面を交互にみながら、できるだけ近い色を登録していきます。
以下の画面ショットは、5個の色が登録された状態です。

2. スウォッチパネルを整理する
では、登録した色を、今後、使いやすいように整理しておきたいと思います。
- スウォッチパネルで、登録した最初の緑色を選択し、新規カラーグループをクリックします。

- ここでは、ヨコ糸のブランドごとにフォルダーを作ります。ブランド名を入力し、OK をクリックします。

- 選択した緑色が新しいカラーグループのフォルダーに移動しました。

- サンプルでは、もう一つ別のブランドのヨコ糸も登録しましたので、もうひとつカラーグループのフォルダーを作成し、それぞれのフォルダーにヨコ糸の色を移動しました。
以下の動画でステップを確認してください。
- もし時間があれば、今後使うヨコ糸を全部登録しておくのもよいと思います。
私は、以下のようにそれぞれのブランドのヨコ糸の色を登録し、それぞれのカラーグループのフォルダーに格納しました。

3. スウォッチに登録した色をライブラリとして保存する
次に、登録した色をスウォッチライブラリとして保存します。
- スウォッチパネルの右上のメニューをクリックし、スウォッチライブラリを Illustrator として保存 を選択します。

- ドキュメントフォルダーやデスクトップなど、わかりやすい場所に、わかりやすい名前でスウォッチライブラリを保存します。

- いま、開いている空白のファイルも念のためバックアップとして保存しましょう。
ファイルメニューから保存を選択します。
同様に、わかりやすい場所にわかりやすい名前で保存します。
保存したらファイルは閉じてもOKです。

4. グリッドデザインのファイルにスウォッチライブラリを読み込む
では、前回の記事で、調整まで終わったグリッドデザインのファイルを開いて、さきほど保存したスウォッチライブラリを開きます。
- ファイルメニューから開く を選択し、前回作成したグリッドデザインのファイルを開きます。
- スウォッチパネルの右上のメニューから、スウォッチライブラリを開く > その他のライブラリ を選択します。

- さきほど保存したスウォッチライブラリファイルを選択して開きます。

- スウォッチパネルとは別に、スウォッチライブラリのパネルが開かれました。
スウォッチライブラリの色を修正したい場合には、上記の手順3「スウォッチに登録した色をライブラリとして保存する」のステップ2で保存したスウォッチライブラリファイルを開いて、修正後、上書き保存します。
そのあと、再度、グリッドデザインのファイルで、スウォッチライブラリファイルを開きなおします。

これで、ヨコ糸の色にできるだけ近い色がスウォッチライブラリに登録されました。
次の記事では、今回登録した色をグリッドデザインに当てはめて、配色を考えたり、完成品のイメージを確かめる作業について説明したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。